「新 たのしく
書く道具」の
これから

後編vol.26

「新 たのしく書く道具」鼎談の後編です。
ぜひ前編からご覧ください。

お話を聞いた人

広瀬 琢磨:
カキモリの代表。
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小泉誠:
Koizumi Studio代表、家具デザイナー、「新たのしく書く道具」のインク瓶やペン軸等をデザイン。
koizumisan

関 宙明:
ミスター・ユニバース代表、アートディレクター。「カキモリ」という名前やロゴの生みの親。
Sekisan

製造現場を知ることで、新たなアイデアと出会える

広瀬:
パッケージは、プロダクトと、プロダクトの魅力を伝えるWEBサイトやコンセプトブックのちょうど中間のような存在。カキモリのこれまでを見続けてくれた関さんにお願いしたいと決めていました。
hirosesan
コスト面も考えつつ、再生素材のチップボールを使いながら、人の気持ちが盛り上がるものにしたいと思っていました。 今回は、函の製造を担う竹内紙器さんに相談し、構造から考えてもらいました。私も小泉さんと同じで、ものづくりに携わるときは、現場に行きます。どうしたらできるか、何を諦めるかを話し合って、お互い納得できる答えが見つかるとうれしいんですよね。
Sekisan

ものとしての存在感が感じられるコンセプトブック



小泉さん:
コンセプトブック、本当に素晴らしい! 色の印象が強く残りますね。中には、商品がちゃんと見えないようなページもあるし……このすごさを理解するカキモリも素晴らしい!
Koizumisan
関さん:
小泉さんに怒られるかなとは思ったんですが、シルエットまでそぎ落としても、プロダクトの魅力は伝わります。ビジュアルでは、使っているときや休ませているとき、ふとしたときに見て美しいな、また惚れちゃったなといった情緒を表現しています。
また、存在感や立体感を表現するための紙や印刷方法にはこだわりました。プリンティングディレクターもプロダクトに愛着を持って、この仕事に入れ込んでくれたのがうれしかったです。
Sekisan
広瀬:
おかげで、次代のカキモリを表現するものになりました。
hirosesan
小泉さん:
見せびらかしたくなる一冊で、みんなほしいと言ってくれます。この冊子を見て製品を購入してくれた人もいますよ。
Koizumisan
関さん:
ありがとうございます!!
Sekisan

よいものは、ボーダレスに届くし、届けたい


広瀬:
自分たちのつくるものは、国内外問わずボーダレスに届けたい。もっとたくさんの人と、書くことを楽しみたい。という想いは関さんと共有していました。
hirosesan
関さん:
今回は、海外展開を意識せず、時代や空間からも解き放たれたビジュアルにした方が、コンセプトが際立つと思ったんです。「今、そこにあるもの」という雰囲気にしたかった。
Sekisan
広瀬:
ビジュアルの引力は強いようで、「こんなものを使う日常にしたい」「家にこういうスペースをつくりたくなる」といった声が海外から届いています。
hirosesan
小泉さん:
誰もがいいと感じるものは、届け先が違っても変わらないのかもしれない。そうだ、インクの色名についても訊きたいです、素敵だから。
Koizumisan
広瀬:
色名は慣例にとらわれず、色から感じる情景が広がるような名付けをしようと。関さんに渡辺尚子さんというライターさんをご紹介いただいて、お願いしました。
hirosesan
小泉さん:
葉っぱや森みたいな表現をされがちな緑の名前が、「くるん」になったときに、固定観念がかき消された。これは画期的ですよ。
Koizumisan
広瀬:
迷いはありました。これで本当に伝わるのかなと……。「そよ」って何? と思いますよね。日本人なら少しわかるのかもしれないけど。
hirosesan
小泉さん:
日本人でも「むくり」ってなんだって思いますよ(笑)。でも、なんか合ってるし、いいですよね。
Koizumisan
広瀬:
英語のネイティブチームは「わからない」と話してましたが、音の響きは楽しんで、気に入ってくれているようです(笑)。
hirosesan

カキモリの熱を、仲間と旅をしながら形にしていく


広瀬:
お二人や関わってくださったみなさんのおかげで、プロダクトからコンセプトブックまで完成できたことに心から感謝しています。
そして、第一弾の完成がゴールではなく、まだまだ旅の途中だと感じています。 「長く付き合う途中で物ができていく」という小泉さんの言葉通り、「物をつくろう」がゴールではなく、「書く楽しさってなんだろう」と話し合いながら、長い旅路をともに歩み、「新 たのしく書く道具」を模索していきたいなと思っています。
hirosesan
関さん:
ついていきます(笑)。
Sekisan
小泉さん:
僕もついていきます(笑)。主体はやっぱりカキモリさん。熱源はカキモリにあって、広瀬さん、スタッフさんの熱を感じたからすべてが始まったし、みんなでいい仕事ができたんだと思います。
Koizumisan
広瀬:
自分と同じ、もしくは自分以上に熱量のあるスタッフの力が、この先の10年を支えてくれると思っています。スタートはとても順調で、パートナーのお店のみなさんも盛り上がってくれています。これからもスタッフを中心に、カキモリの仲間を増やしていきたいですね。
hirosesan


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