色のてまえ①

出会いvol.01
【てまえ/手前・点前】
  • 自分の目の前。自分に近い方。
  • 目標とするものの前。
  • 他人に対する自分の立場・面目・体裁。他人に対する自分の立場・面目・体裁。
  • 腕前。技量。
  • 茶の湯での、茶や炭の作法。



ふうっと深呼吸をして、
窓の外を見てみれば
世界は色で溢れている。

途端に
眼の前にある書きかけの手紙が
色あせて見えてきた。

世界はこんなに色に溢れているのに、
溢れる思いは、とてもカラフルなのに。





お仕着せのインクの色は、なんだかつまらない。


そんな思いを抱いていたとき、
私たちの出会いがありました。






ターナー株式会社さんは、
1946年創業の、
大阪に本社を持つ日本の企業です。

絵を描く人には、ポスターカラーやアクリルガッシュなどの絵具で、馴染みの深い人も多いことでしょう。




「わたしたちと、一緒にやりましょう。」

力強く声をかけてくださったターナーさんでしたが、
当時、ターナー社には筆記具用インク製品の取扱いがありませんでした。



筆記具用のインクは、“染料”を原料とするものが一般的。植物由来の染料に対して、鉱物を原料とする“顔料”は、その粒子が大きく、詰まりやすいため、万年筆やボールペンなどの筆記具には、不向きとされているからです。
しかし、ターナーさんの主力製品である、絵具や塗料の原料として使われるているのは“顔料”。そのため、この時まで筆記具への展開には消極的でした。



「染料で、進めましょう。」
開発チームの方向性が一致しようとしたその時、

「どこにでもあるものだったら、ターナーで作ることはない。ウチの強みである顔料を使って、メイド・イン・ジャパンの、顔料ならではの良さを、より多くの人に知っていただこう!」
と、声を上げた人が居ました。







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