十周年の対談
これからのカキモリ

後編Vol.17

10周年の対談、後編です。ぜひ前編からご覧ください。

前編では、3人の出会いから、カキモリ・インクスタンドができるまでのお話を伺うことができました。 話題はこれからのカキモリに…




お話を聞いた人

広瀬 琢磨:
カキモリの代表。
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関 宙明:
ミスター・ユニバース代表、アートディレクター。「カキモリ」という名前やロゴの生みの親。

河田 将吾:
チームラボアーキテクツ代表、建築家。カキモリ・インクスタンド店舗の設計・デザインを担当。



体験の価値は、これからさらに高まっていく。


広瀬:
これからのカキモリですが、国内は蔵前の店舗に絞ろうと考えてます。これまで、多店舗展開が上手くいかなかったこともあって……。
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河田さん:
失敗は繰り返さなければいいだけ。それよりも上手くいったことを掘り下げれば、未来が見える。この街で10年続いたっていう「成功事例」を見直してみたらヒントが見つかるんじゃないかな。



個人的には、カキモリがディズニーランドになればいいと思う。暮らすための労働はどんどん少なくなって、時間が余る。生活必需品は安価で手に入るから、お金も余る。そうなると人は、自分の時間とお金を豊かに使いたいと思うはず。カキモリに行けば、豊かな時間を味わえると感じてもらえたらいいよね。
関さん:
ひとつのお店で一日過ごすのが難しいなら、蔵前・鳥越エリア全体で「今日は楽しかったな」とお客さまに思ってもらえたらいい。それが、カキモリのマップに込めた想いでもあるしね。


広瀬:
確かに、カキモリはずっと、お店で味わえる体験を大切にしてきましたね。ただ、新型コロナの流行で「お店でお待ちしています」と言いづらい雰囲気になった。お客さまとの新たな接点として、WEBサイトをリニューアルしたんだけど、どうですか?
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河田さん:
身も蓋もないけど、今、世の中にあるWEBサイト、面白くはないからな……(笑)。
関さん:
ストレスフリーに情報を得て、買い物できる合理的なインフラになったよね。だからこそ、WEBサイトでは味わえない体験がより求められるんじゃないかな。
河田さん:
商品とストーリーを一緒に届けてきたカキモリだからこそ、体験を味わってもらう機会は大事だよね。お客さまも、安心して自分の時間を使える日が来たら、楽しいことには自分で出会いに行きたいし、人にも会いたいって思うはず。今、つながりを保つ手段としてなら、WEBもいいかもしれない。




カキモリのお客さまって誰だろう。


広瀬:
ただ、カキモリも商売をしている以上、売上を増やして拡大しないと。という思いもあるんです。
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河田さん:
売上を増やしたいのはなんで??
広瀬:
最低限、やりがいある仕事とスタッフの待遇は一致させたい……ただ、その他の理由がはっきり言えないのも現状です。
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関さん:
僕は、ただ稼げるより、面白いことできるチームの方がいいけどね。
広瀬:
都心の商業施設などから出店を打診されるたびに、迷うんです。「次のステップに進んで、スタッフの成長を」とか「好立地の職場はスタッフのモチベーションも上げます」みたいなセリフで口説かれる(笑)。
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関さん:
意味がわからない(笑)。知名度が上がるといろんな方面から話が来て、ひとつひとつ反応しなきゃいけないのは大変だよね。



河田さん:
納得できるものを生み出しながら、世の中からも求められるサイズ感があると思うし、規模どうこうよりは、必要としてくれる人がいるかが重要かな。カキモリが「書くことの価値」を高めていて、「たのしく書く人」が増えているなら、カキモリは世の中に必要とされてる。
関さん:
カキモリのお客さまは、自分で文字を書いて、誰かに伝えたい人。誰もが「たのしく書く人」に可能性はあるけど、その方々にどんな道具や体験を届けるのかは、カキモリが描く方向性次第じゃないかな。
広瀬:
自分たちは、書くことでたくさんの人の心を豊かにしたい、人同士のつながりをよりよくしたい。続けていくために売上を立てることは必要だけど、カキモリが「たのしく書く人」にまず思い浮かべてもらえる店になれたらうれしいですね。
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場所が変わっても、関係性を丁寧に。


広瀬:
近い将来、海外にはカキモリを出してみたいという気持ちはあるんです。
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河田さん:
あぁ、いいかも。蔵前は面白くなる可能性はあったけど、その可能性を丹念に育ててきた一人が広瀬さんであり、カキモリ。多分、カキモリは街と一緒に育っていける店だから、海外の面白い街、面白くなりそうな街ならいいと思うな。
関さん:
面白いかそうでないかって、どんなところで決まるんだろう。
河田さん:
蔵前や鳥越もそうだけど、いい路面店が並ぶ街は楽しいよね。都心は家賃が高すぎて、面白い店が2階以上にひっそりあったりする。だから東京の都心にもう一店舗よりは海外の方が可能性を感じる。国内だったら京都かな……。路面店が充実してますよ。



関さん:
カキモリが蔵前で10年続いたのは、やっぱりすごいこと。広瀬さんとスタッフさんが日々重ねてきた心配りを、お客さまは感じてくださっているんだと思う。これまでみたいに丁寧に関係を築いていければ、海外でもきっと大丈夫だと思う。
広瀬:
そうですね。10年続けられたのは、スタッフが日々つくってくれた世界観にお客さまが共感してくださったおかげ。スタッフと「たのしそう!」へ素直に向かうことで、未来のカキモリも描いていけるかなと思えました。これからも、よろしくお願いします!
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