カキモリ×NAOT

第②話
手書きの文字から見えてくる
vol.05

〈対談〉
カキモリ×NAOT
第2話「手書きの文字から見えてくる」


カキモリのコンセプトである「たのしく、書く人。」
蔵前の実店舗やオンラインストアでは、
オーダーノートや筆記具をはじめ、
書くことを楽しんでいただくための文房具を販売しています。

日頃店頭でお客様とお話していると、
手帳やお手紙など、書くことが日々の中であたり前のこととしてある方もいれば、
「ペンに触るのは週に1回くらいかなぁ」なんて方もいらっしゃったりします。

手書きの文字が好きだから、
手で文字を綴る時間を大切だと感じているから、
その魅力をもっと伝えていきたいけれど、どうしたら……。

そんなことを考えていたときに、思いがけず、
同じ蔵前エリアにお店を構える革靴屋 NAOT(ナオト)のスタッフさんと
お話する機会をいただきました。
今回はその第2回をお送りします。

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第2話(NAOT後編)「手書きの文字から見えてくる」

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●お話を聞いた人

宮川さん:
NAOT JAPAN代表
岩崎さん:
靴の予約や修理、Web記事の制作、出版部ループ舎の校正などを担当
カキモリスタッフがNAOTさんのONLINE SHOPで靴を購入した際、実際に受け取ったお手紙。
カキモリスタッフがNAOTさんのONLINE SHOPで靴を購入した際、実際に受け取ったお手紙。
岩崎さん:
わたしもなんですけど、やっぱり字の下手なスタッフもいて……。
宮川さん:
僕もなんですけど、でも上手い下手じゃなくって、せめて丁寧にっていう気持ちを込めてます。
カキモリ:
ちょっと癖のある字の方が、個人的にはグっときます。
岩崎さん:
あ〜、そう言っていただけて安心します。
宮川さん:
スタッフそれぞれの字がすごく個性豊かで、30代真ん中ぐらいのスタッフの字体だと「昔それ流行ったなぁ」みたいな時もあったり。(笑)
岩崎さん:
意外と、20歳くらいのアルバイトの女の子の字が一番きれいだったりね。今どきの子なんですけど、字がすごい上手で、「おぉ、そうゆうとこあるんや」って。
カキモリ:
NAOTのスタッフさんが書いた字は、文字だけ見て、これは誰の字だって……。
宮川さん・岩崎さん:
わかります!!
カキモリ:
うちもわかります!これだけ人数いても、「あ、誰の字だな」って。
岩崎さん:
メモが落ちてても、すぐその人の机に置ける。字で分かります。受注会に行くと、お客さまに記入していただく伝票にスタッフも靴名なんかを記入するんですけど、わぁっと忙しくなるので、宮川と、上野っていう女性スタッフの字が、「これどっちだろ」ってわかんなくなったりして。
宮川さん:
上野と僕は20歳くらい離れてるのに。(笑)
岩崎さん:
なんかそれも面白いなって。他の人の疲れてるときの字ときれいなときの字のバリエーションもちゃんと知ってる。この字ってことは大変だったんだろうなって。
カキモリ:
すごい。字から伝わってくるんですね、状況が。
岩崎さん:
わかります。いまこれ何人くらいお客さまいるんだろうなぁとか。でも宮川は、忙しくなってくると字がほんとに荒れるので。
宮川さん:
そう、自分も読めないんですよ。びっくりしますよ。
カキモリ:
広瀬(弊社代表)もすごいです。わけがわからないときがあります。でも、とにかく伝えたかったんだなって思いますね。
岩崎さん:
普段はおきれいなんですか?
カキモリ:
ちゃんと書くときはすてきな字なんですが、スタッフに配る資料とか、急いでるときにぐちゃぐちゃっと書いてあって、「これなんて書いてあるんですか?」って聞いたり。(笑)
岩崎さん:
解読するのうまい人とかいませんか?なんて書いてあるのか、わたし結構聞かれるタイプです。
宮川さん:
もうちょっとちゃんと書こうかなぁ。
岩崎さん:
いえ、わかるんで大丈夫ですよ。(笑)
カキモリ:
お仕事ではこういうふうに書くことに馴染まれていると思うんですが、普段の生活の中では、お手紙を書かれたりするタイミングってありますか?
宮川さん:
僕は書かないかな。
岩崎さん:
わたしは結構書きます。
NAOTの岩崎さん
NAOTの岩崎さん
宮川さん:
僕は家では書かないけど、仕事では結構紙に書くんですよ。思いついたこととか全部。裏紙もよく使うんですけど、手で書いた方が、なんかいい感じになるんですよね。考え事してる時も、基本的にパソコンを閉じてる時の方が多いので、全部手で書いてます。
カキモリ:
予測変換に頼らずに、自分の中から見つけ出した言葉を書き出すから、後で見返したときにも引っかかる何かを残せていたりするのでしょうか。
  「なんかいい感じになる」って、すごくわかります。
岩崎さん:
わたしは夫がいるんですけど、仕事で彼の帰りが遅い時、「晩ご飯は冷蔵庫にあるよ」「○○はチンしてね」って、手紙を書いています。わたしは携帯が苦手なこともあって、週3回くらいは書いているかな。
カキモリ:
いいですねぇ。ほっこりしそうです。
岩崎さん:
メールにすると、つい不満を書いちゃうんですよ。わたしも疲れて帰ってきて、急いでご飯つくったのに、夫は今日も遅いんや、と思うと。「せっかくつくったのに」ってメールしそうになるんですけど、手紙だと、「○○へ」って書く時点でちょっと落ち着くので、なんかその・・・書いてる間にクールダウンできるというか、嫌な言葉を言わずに済むんですよ。たぶん、打つよりも時間がかかるから。だからその分ちょっと落ち着いて、「でも頑張ってるから遅いんだよな」って思える。疲れてるとすぐ怒りたくなっちゃうから。自分のために、紙にしてますね。
カキモリ:
疲れていたり、いらいらしていると、不機嫌なときの冷たい気持ちをついアピールしたくなってしまうときもありますね。でも、ペンを持って紙に向かうと、自分の手で書く文字に込めてまで伝えたい気持ちではないと気づけたりして、冷静になって、自分のことも相手のことも、思いやることができるのかもしれないですね。
おふたりが話してくださった言葉を聞いていて、「手で書くことってやっぱりいいなぁ」と、改めて感じました。この度はお仕事から私生活のことまで、「書く」にまつわるお話を聞かせていただき、ありがとうございました!

「書く」ことって、特別なことじゃありません。
気持ちに寄り添うペンと、好みの書き心地の紙があれば、
デジタルな文字入力では引き出されなかった言葉が、
相手に伝えたいほんとうの気持ちが、
自分の中に見つかるかもしれません。

気楽に書いて、整理する。
天のりタイプのカキモリPADは、ページを1枚ずつきれいにはがせるノートです。
はがすことで、ノートの中の1ページが、
そのまま1枚の書類や、1つの作品、1通の手紙にも。
持ち運びやすいA5サイズと使いやすいA4サイズ。
表紙の色や中紙の種類は、
気分や用途で使い分けてくださいね。


NAOTさんのお店について

奈良県の観光地・ならまちにある「風の栖」からスタートした革靴屋NAOT(ナオト)。
現在は、その風の栖から程近い場所にある「NAOT NARA」、そして東京・蔵前にある「NAOT TOKYO」で靴をご紹介しています。
直営店ではフルラインナップを取り揃えており、スタッフがフィッティングや靴選びのアドバイスをさせていただきます。

NAOT INFORMATION|http://naot.jp

NAOT NARA
〒630-8385 奈良県奈良市芝突抜町8-1
TEL: 0742-93-7786
OPEN: 火–日曜日 / 11:00–sunset
NAOT TOKYO
〒111-0043
東京都台東区駒形2丁目1-8楠ビル301
TEL : 03-5246-4863
OPEN: 金・土曜日 / 12:00–19:00



姉妹店・風の栖
INFORMATION|http://kazenosumika.com
〒630-8336 奈良県奈良市高御門町17
TEL: 0742-20-6887 
OPEN: 水曜日–日曜日 / 11:00–sunset